どこの国の文化・政治にしてもその創造主は人間です。また、それぞれの国の慣習や文化の土壌は、その国の自然や風土との関わりから育まれ、そして培われてきました。 その大切な自然が破壊され関わりが失われてきていることは、先人が築いた文化・政治が歪んできており、望ましい営みを次代に引き継いでいくことが困難になってきていることでもあります。 幼児期から自然に触れ、四季折々に見せるダイナミックな変化から培われる感性や、変化の段階で見せる自然の厳しさ、それと対峙することによる苦しさ、それに向かっていく積極性、そして時には挫折感を抱くこともあります。 幼児期はこのようなことを知識的に学ぶよりも、体験を通して学んでいくことにより「依存から自立・自律」へと成長を遂げていきます。また、自然と調和して生活・文化を形成してきた先人達との交流が出来る環境を構成していくことも大切な役割と思っています。その役割を通して、「自立・自律から依存」に流れがちな高齢者にとっても、その速度が薄まってくるものと思われます。 幼児の保育も高齢者の支援も、従事するものにはその高い見識と専門性が要求され、そして責任が伴ってきます。私達はその両方に従事できる恵まれた環境のもとにあり、そこで学びえた文化を次代へと継承していかなければならないものと思っています。